NC旋盤のタレット割り出し不良【ソレノイドバルブ交換作業】

タレット割り出し機構は機械により異なり、その種類は多く複雑です。ベテランエンジニアでも機械によっては理解するのが難しい部分かと思います。今回紹介する機械は油圧インデックスモーターを旋回動作に採用しているもので特にわかりにくい部類に入るかと思います。

• タレット割り出しタイムオーバーで機械が止まる
• A、B相の信号異常アラームで止まる
• 指令した割り出しステーションを通り過ぎてしまうことがある
• 不具合発生のタイミングや割り出し位置はランダムで、止まっている状態に規則性がなさそうです。

1. 割り出し位置確認用のA,B,Z相の近接スイッチの入力信号を確認→信号のオンとオフは問題なくNCまで入ってきている。
2. 割り出し位置確認用のドッグとスイッチの位置関係と緩みを確認→問題なし。
3. タレット旋回用の油圧インデックスモーターのソレノイドバルブ（クランプアンクランプ用と旋回用）の電圧の切り替わりを確認→問題なし。
4. 入力・出力信号や、割り出し動作のための切り替え電圧は問題ない。

1. 刃物台周りのカバーをばらしてインデックスモーターが見える状態にしていきます。
   1. 背面カバーを外してZ軸のプロテクターを開く。
   2. 刃物台後部のカバーを取り外していく。
   3. インデックスモーターのソレノイドバルブが見える状態に。
2. 電源を落とす
3. ソレノイドバルブの配線をメモして配線を取り外す。
   1. 間違えてコモン線の100Vに切り替え用の24Vをつないでしまうとソレノイドバルブが壊れ、タレットが予想しないような動きをします。配線間違えには十分注意して作業します。
4. ソレノイドバルブを交換する
   1. ソレノイドバルブの取り付け方向をマークしておき、取り付け時に間違えないようにする。取り付け方向を間違えると動作方向が逆になってしまいます。
   2. オリフィス（流量、油圧のコントロール部品）が取り付け面についている場合があるのでなくさないように取り外しの時に注意（タレット制御回路ではあまり入っていないのですが、ソレノイドバルブ取り外す時には毎回注意して癖にしておくといいです）。オリフィスある場合は取り付け時に同じ個所にとりつけられるようにメモしておく。
   3. ソレノイドバルブを取り外し、新しいものに交換する。
   4. この時、Oリングがしっかりと取り付けられており、取り付け面で挟み込まないように十分注意する。Oリングの取り付けに失敗すると、油が取り付け面からだだ漏れになり、Oリングも破損してしまいます。
5. ソレノイドバルブへの配線する。
6. 電源を入れてタレットの割り出し動作を確認する。
   1. 無事に不具合改善したのを確認できました。ソレノイドバルブの交換でいけてよかったです。
7. 外したカバーやプロテクターをもとに戻して作業終了です。
8. 機械は問題なく生産に戻ることができました。

今回はソレノイドバルブ交換で不具合が改善んして良かったです。インデックスモーターを交換しようとすれば、モーター自体の重さもあり、作業性も悪いので結構大変な作業となります。部品代も高いため、金額が大きく変わってきます。