機械保全技能士とは?【機械保全技能検定の一発合格方法】試験内容・合格率・勉強方法

保全技能士、技能検定についてを知りたい方「機械保全技能士って何…。どんなメリットがあるの…。機械保全技能検定ってどんな試験なんだろう…。合格するためにはどうればいいのか…。誰か具体的に教えてください。」

こういった疑問にお答えしていきます。

本記事の内容

  • 機械保全技能士とは?
  • 機械保全技能士のメリット
  • 機械保全技能検定はどんな試験?試験内容や合格率を解説。
  • 一発合格するための勉強方法を紹介

この記事を書いている私は、1級機械保全技能士(機械系)と1級機械保全技能士(設備診断作業)をはじめ、5つの技能検定に一発合格しております。



15年の大手工作機械メーカーでのサービスエンジニア歴2000件以上のメンテナンス実績をもとに、現在は独立してフリーランスのサービスエンジニアとして活躍しております。

「就職・転職活動で目にする機械保全技能士って何…。どうやったら取得できるの…。試験は難しいのかな…。」こんなことを感じていないでしょうか?

機械保全技能士は、国家技能検定の中では人気のある資格ではありますが、なかなか普段耳にすることはないですし、周りに聞ける人もいないと思います。私自身資格取得前は、情報がほとんどなかったので、「どういった資格なのかな…。受験や勉強方法はこれでいいのかな…。」という不安を持っていたのを覚えています。

そんな私が詳しく解説していきます。。

※3分ほどで記事は読み終わります。3分後には、今までよりも保全技能士や検定試験への理解が深まっていると思います。

機械保全技能士や機械保全技能検定のことで疑問がある方必見です。

機械保全技能士とは?

機械保全技能士、または保全技能士というのは、機械保全技能検定に合格することで名乗れることができます。「機械保全技能士」という資格をあまり耳にしたことがないと思いますが、128種類ある国家技能検定の中で2番目に受検者数の多い、人気の高い検定試験です。

保全技能士は、工場設備が正常に稼働するように、設備トラブル時の対応、故障や劣化を未然に防ぐ設備保全の実施を行います。その保全業務に必要な、機械や電気回路、異常診断などに関する知識や技能を必要とされる仕事です。

具体的な仕事内容の一例としては、メンテナンス計画の作成やメンテナンス方法の決定、欠陥の発見、異常の発生時の修理などの対応のほか、機械や設備のデータの収集や解析、判定などを行います。

職種として代表的なのは、工場保全課の保全員、お客様先での出張対応するサービスエンジニア(フィールドエンジニア)になります。

職種(試験区分)と資格区分

  • 機械保全の職種(試験区分)には「機械系保全作業」「電気系保全作業」「設備診断作業」の3つがあります。
  • 資格区分には、特級及び1級~3級(3級は機械系保全作業・電気系保全作業のみ)があります。特級は管理者または監督者が通常有すべき技能の程度、また1級~3級はそれぞれ上級技能者、中級技能者、初級技能者が通常有すべき技能の程度と位置づけられています。

受験資格

  • 特級:1級合格後5年以上の実務経験
  • 1級: 7年以上の実務経験(2級合格者は2年、3級合格者は4年)
  • 2級: 2年以上の実務経験(3級合格者は0)
  • 3級: 年齢、学歴等に制限はなく誰でも受験できます。

※必要な実務経験年数は、職業訓練歴、学歴等により短縮されます

※技能検定の合格によって取得した称号を表記する場合には「1級機械保全技能士」、「2級機械保全技能士」のように等級を明示する必要があります。職業能力開発促進法により、機械保全技能士資格を持っていないものが機械保全技能士と称することは禁じられています。

機械保全技能士の資格を持っているメリット

資格取得者のメリット

  1. 機械保全技能士を名乗ることが可能に。
  2. 名刺や履歴書に記載できる
  3. 機械保全に関する技能や知識の習得を客観的に証明できる

保全技能士資格を所有しているということは、「私は機械保全できますよ」というアピールになるわけですね。

この資格は、就職する際に有利になるだけでなく、待遇面でも優遇されることも。社内でのキャリアアップへの足掛かりにも繋がります。

企業のメリット

  1. 工場の保全レベルの向上が図れます。
  2. 工場設備のダウンタイムの低下、自動化や高度化の導入による生産性アップが期待できます。
  3. 設備の信頼性をアップできます

製品の生産を注文する側としては、信頼できる設備環境なのかという点は非常に重要です。設備の信頼性のためには、設備保全への信頼はなくてはならない要素です。しかし、保全レベルを目に見えて表すのは難しいです。そのため、資格取得者を有することで、高い保全レベルを表現すことができ、設備の信頼をアップさせることが可能です。

もちろん機械保全技能士資格を持っているだけで各設備に応じた保全業務が実施できるわけではありません。工場の設備保全作業を行うためには、設備の特徴に応じた保全経験はかならず必要になってきます。しかし、保全技能士資格を保有していることは、等級に応じた保全に関する実務経験を持っている上に、保全に関するベースの知識を備えているので、どのような設備にも柔軟に対応できる素質の証明になります。

機械保全技能検定ってどんな試験?試験内容や合格率を解説

技能検定の試験内容は基本的に学科と実技という構成になります。機械保全技能検定の試験内容を、学科と実技それぞれ解説していきます。

学科試験の内容

選択肢の中から正解を選ぶ方式(多肢択一)と○×式で正誤を判断する方式(真偽法)で構成。

  • 特級:五肢択一方式(出題数50問 試験時間 2時間)
  • 1級: 真偽法及び四肢択一法(出題数25+25問  試験時間 1時間40分)
  • 2級: 真偽法及び四肢択一法(出題数25+25問  試験時間 1時間40分)
  • 3級: 真偽法、問題数(出題数30題  試験時間 1時間)(実技試験)

出題内容

  • 特級
    1. 工程管理
    2. 作業管理
    3. 品質管理
    4. 原価管理
    5. 安全衛生管理及び環境の保全
    6. 作業指導
    7. 設備管理
    8. 機械保全に関する現場技術
  • 1級~3級
    1. 機械一般
    2. 電気一般
    3. 機械保全法一般
    4. 材料一般
    5. 安全衛生
    6. 選択科目(以下より1つ選択)
    7. イ.機械系保全法
    8. ロ.電気系保全法
    9. ハ.設備診断法(1級、2級のみ)
    10. ※科目免除

 実技試験

作業によって「製作等作業試験」「判断等試験」「計画立案等作業試験」のいずれかの方法で行われます。

  • 特級:計画立案等作業試験 150分
  • 1級:下記作業から選択
    1. 機械系保全作業(判断等試験)80分
    2. 電気系保全作業(製作等作業試験)110分
    3. 設備診断作業(判断等試験)100分
  • 2級:下記作業から選択
    1. 機械系保全作業(判断等試験):80分
    2. 電気系保全作業(製作等作業試験):110分
    3. 設備診断作業(判断等試験):80分
  • 3級: 下記作業から選択
    1. 機械系保全作業(判断等試験)7課題:70分
    2. 電気系保全作業(製作等作業試験)2課題:110分

※計画立案等作業試験

現場における実際的な課題等を、紙面を用いて表、グラフ、図面、文章等によって掲示し、計算、計画立案、予測等を行わせることにより技能の程度を評価する試験

※判断等試験

対象物または現場の状態、状況等を原材料、標本、模型、写真、ビデオ等を用いて提示し、判別、判断、測定等を行わせることにより技能の程度を評価する試験

※製作等作業試験

物の作製、組立て、調整、ロールプレイング等で実際に作業を行わせる試験

合格基準

  • 学科試験:65点以上/100点で合格
  • 実技試験:減点法で41点以上の減点がない場合に合格

試験実施日程

  • 第1回試験(3級):6月~8月頃
  • 第2回試験(3級以外の級):12月~2月頃

詳細は3月と9月に案内があります。

受験手数料

受検手数料は下表のとおりです。

  • 学科試験・実技試験両方の受験: 19,400円  → 20,000円
  • 学科試験のみ受検 : 4,000円  → 4.600円
  • 実技試験のみ受検 : 15,400円

一回の受験料が結構高いですよね。2022年度から地味に学科が600円値上げされてますし。「この金額をもう一度払いたくない」という気持ちが、私の一発合格の大きなモチベーションにはなってくれました。

合格率(2019-2021年度)

2021年度機械保全技能検定試験結果

【特級】 受験総数727名 合格総数287名 合格率39.5%

【1級】 受験総数8930名 合格総数2,474名 合格率27.7%

【2級】 受験総数13,348名 合格総数4,296名 合格率32.2%

【3級】 受験総数8,574名 合格総数6,103名 合格率71.2%

2020年度機械保全技能検定試験結果(コロナの影響で3級試験は中止になりました)

【特級】受験総数664名 合格総数140名 合格率21.1%

【1級】 受験総数8,934名 合格総数2,136名 合格率23.9%

【2級】 受験総数12,562名 合格総数3,724名 合格率29.6%

2019年度機械保全技能検定試験結果

【特級】 受験総数693名 合格総数150名 合格率21.6%

【1級】 受験総数10,540名 合格総数2,490名 合格率23.6%

【2級】 受験総数16,394名 合格総数5,307名 合格率32.4%

【3級】 受験総数7,409名 合格総数5,212名 合格率70.3%

機械保全技能士検定に関する最新の情報、詳細については日本プラントメンテナンス協会の公式ホームページをご参照ください

機械保全技能検定を一発合格するための勉強方法を紹介

機械保全技能検定は、過去問を一通り解けるようにすることで、合格できる試験となります。

しかし、受験準備においてまずはじめにぶつかることは、「いったいどのテキストをそろえればいいのだろう?」といったところです。

そんな方のために、まずはおすすめのテキストから紹介をしていきます。

機械保全技検定のためのおすすめテキスト

「機械系保全作業」のおすすめテキスト

私はこれらのテキストだけで1発合格しました。

2021年版 機械保全技能検定1・2級 機械系学科試験過去問題集

この問題はとにかく解けるようになるように勉強しました。

2021年度版 機械保全の徹底攻略[機械系・実技]

こちらは教科書として使用しました。

機械系は受験者が多いため、テキストの内容が一番充実しています。この2冊をしっかりやれば十分合格レベルに達します

しかし、これらだけでは実技対策に少し不安があるのも事実です。なぜかというと、過去の試験問題は公式HPに3年分公表されていますが、実技試験資料(写真、図、語群など)は検定秘で、公表されていません。検定秘の部分は公式テキストでも明瞭ではないところがあります。

そこで追加でおすすめしたいのが、メルカリに出品されている以下のスナフキンさんのテキストです。こちらの資料には数年分の過去問から、「検定秘」部分を予測し対策資料としてまとめられております。値段もお手頃なのでオススメです。

機械保全技能検定 機械系1級【実技】対策CD

機械保全技能検定 機械系2級【実技】対策CD

機械保全技能検定 機械系3級【学科/実技】対策CD

これらのテキストを出品されているメルカリのスナフキンさんのサイトはこちら→

Youtubeで機械保全検定に関して解説されているチャンネルもございます。丁寧で分かりやすいためこちらもお勧めです。

また、JTEX(職業訓練法人日本技能開発センター)の提供する下記講座もあります。

私はこちらの受講経験ないのですが、試験会場に行くとこのテキスト持っている方をよく目にするのでお値段は高いのですが効果あると思います。

「設備診断作業」のおすすめテキスト

設備診断作業は受験者数も一番少ないこともあり、とにかく情報が少ないです。

わたしはこちらの1冊だけで1発合格しました。

このテキストだけで合格はできましたが、実技の点数は結構ギリギリでした。実技に関してはもう少し過去問を追加で解いておけばよかったなと思います。

普通に購入できる良さそうなテキストはこちらだけなので、数年前の「機械保全の徹底攻略[設備診断作業]」の実技部分も追加でやっておくのがいいと思います。

そんなに親切な参考書ではないので調べながらテキストの問題を解いていき、出題パターンをとらえていくしかないと思います。過去に出た問題は確実に解けるようにしておきましょう。

お値段はしますが、日本能力協会が提供する実技講習もあります。中身が絞り込んであるので覚えるのが楽だと思います。

「電気系保全作業」のおすすめテキスト

電気系に関しては私自身まだ受験できておりませんが、一番準備するものが必要な検定となっております。

まずはおすすめテキストとしては、代表的なテキストが3社から出ております。

私のおすすめは電気書院のテキストです。イラスト多く、2色カラーを使い他に比べてわかりやすいテキストです。実技試験の検査盤に関しても解説されている点がありがたいです。

日本能率協会マネジメントセンターのテキストはこちら。教科書として使うのにいいかと思います。

オーム社のテキストはこちら。学科は問題演習のみです。これだけではなく、機械保全の徹底攻略と合わせやる必要が出てくると思います。3級試験まで網羅されているのが良い点です。

電気系に関しても、JTEX(職業訓練法人日本技能開発センター)の提供する下記講座があります。もし予算と時間に余裕があればこちらもオススメです。

受験者が持参するもの

電気系の検定の実技では、受験者が「機材・使用工具・PC・PLC・シーケンサー」を持参する必要があります。

機械保全技能検定 電気系保全作業1・2級 実技試験の概要はこちら

また、検定盤を準備する方法としてはこちら。

  1. 自作する ー 電気書院の本にある部品表をもとに自分で作成。
  2. 新品を購入 ー 工業技術教材専門店で購入できます。
  3. 中古を購入 ー メルカリでは中古から新品まで多くの検定盤が取引されています。評価が良い販売者で購入するようにしましょう。

電気系は準備が一番大変です。会社の研修設備が検定盤を貸し出してくれるようなところにお勤めでない限り、なかなかハードル高いですね。準備だけで費用がかかってしまうので覚悟が必要ですね。

勉強方法

どの級でも1つ1つの問題はそれほど難しくないですが、範囲が広く、技能検定特有の問題も多いので、自分の経験のある分野だけの知識では合格できません。また、学科・実技共に過去と同じような問題が出題されるため、とにかく過去問を一通り解けるようになることが大切になってきます。過去問を数年分繰り返しやるようにしましょう。

また、実技試験は時間配分も大切です。制限時間内に回答できるように練習を繰り返しましょう。学科試験は比較的時間に余裕はあると思いますが、どれぐらい時間がかかるかは事前に測って練習しておくと安心です。

「学科試験」の勉強方法

学科試験は、過去問題を最低5年分は一通り解けるようにすれば、合格ラインに十分かと思います。もちろん解ける過去問の年数分は多いにこしたことはありません。

私の場合はまず一度過去問を解いてみて、わからないところには鉛筆でチェックを入れていきます。次に2週目ではチェックしたところだけを解いて、わかるところはチェックを消します。チェックがなくなるまでこれを繰り返します。チェックがなくなったら、再度チェックがない状態で問題を解いていきます。これを試験日まで繰り返しました。

「実技試験」の勉強方法

実技試験は職種(試験区分)によって対策が変わってきますが、基本的に過去の課題を解けるようになれば7割程度の正答可能です。

「機械系保全作業」

機械系は損傷や異常欠陥を判断する際はテキストの写真と特徴をしっかり覚えておくことが大切です。

「設備診断作業」

計算問題を全て時間内に解くのはけっこうハードル高いです。過去問を制限時間内に解く練習を繰り返しするようにしましょう。本番では無理に全部解こうとするのではなく、解けるところを確実に回答して7割以上の正答を目指しましょう。

「電気系保全作業」

検査盤を準備して実技の練習が必要です。実務経験があっても練習なしで合格は難しいと思います。制限時間を意識して練習あるのみです。

勉強時間はどれぐらい?

1級の試験で、3ヶ月ほど前から一日1時間程度勉強時間を確保すれば十分かと思います。

※あくまで私の個人的な目安となります。あくまでその人に合った勉強方法と勉強時間を考えるていくのが大切だと思います。

繰り返しになりますが、機械保全技能士検定の試験自体はそれほど難易度が高いものではないです。過去の問題を一通り解けるようになれば誰でも合格できます。保全業界で働く方にとっては、持っていて損はない資格です。ぜひこの機会にチャレンジしてみましょう。